Top / Blog / 2022-12-18

令和5年度 千葉県中高一貫校適性検査1次で出題された内容から その1

千葉県中高一貫校 適性検査1次を受検した皆さん、お疲れさまでした。

デザイン思考

1-1 大問2の資料5 「デザインを考えるときの過程を使って仕組みを改善する例」として挙げられていた内容は、『デザイン思考』がもとになっています。

『デザイン思考』とは、何でしょうか。
それは、デザイナーやクリエイターが仕事で使う思考プロセスです。つまり、前例のない課題や未知の問題に対して最適な解決を図るための思考法です。スタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所が提唱しています。英語では、Design Thinkingと表記します。

デザイン思考には、次の5つのプロセスがあります。
◇共感 ユーザーからのインタビューやアンケート、フレームワークなどを用いて、商品やサービスの課題をユーザーの視点でとらえます。ユーザーの表面的な言動のみならず、その奥にある感情を深堀りすることに重点を置きます。
◇定義 共感で得られた情報をもとに、ユーザーのニーズを定義します。言語化されていない背景にも気を配り、ユーザーが「本質的」に何を求めているのか、を具体的に定めます。
◇概念化(適性検査では「創造」となっていました。) 課題解決のためのアイデアやアプローチ方法を出し合います。
◇試作 一度、プロトタイプ(試作品)を作り、商品やサービスを形にします。完璧でなくてOKです。できるだけ低コスト・短時間で試作することで、新たな視点や問題点に気づくでしょう。
◇テスト(適性検査では「改善」となっていました) ユーザーテストを実施します。そこで得た検証をもとに、改善や再考を繰り返し、より顧客満足度の高い商品やサービスを目指します。

◇◇
デザイン思考は、変化の激しい市場環境に対応するために、イノベーションと親和性が高い思考法として多くの企業等で活用されています。

はじめの「共感」の部分で、「どれだけ深く適切にニーズをくみ取れるか」が成否のポイントになるような気がします。そのためには哲学や人間洞察力あるいは豊かな情緒など総合力が必要でしょう。頭だけじゃなくそちらも磨かなくちゃね。