Top / Blog / 2022-12-19

令和5年度 千葉県中高一貫校適性検査1次で出題された内容から その2

フーコーの振り子

適性検査1-2 大問1(2)は、「フーコーの振り子」がもとになっています。

フーコーの振り子とは、1851年3月フランスのフーコーが行った振り子の実験のことです。パリのパンテオン寺院の高いドームから長さ67mのピアノ線に重さ28㎏のおもりをつりさげたもので、科学者をはじめ大勢の見物人がつめかけました。振り子の動く方向を観察していると、時計回りに少しずつ回転しているように見えました。これは地球が自転していることの実証実験でした。

簡単のために北極点で振り子を振ってみましょう。宇宙から観測すると振り子の振動面は変わらないので、1日1回転する地上から見ると振り子の振動面が時計回りに一日に360度回転するように見えます

低緯度になるにしたがって1日あたりの回転角度は減少し赤道上では0度になります。(これはフーコーの正弦則によります。)わかりやすく、地球儀で実験です。北極点に置いた人形は地球儀を一回回すと視点がぐるり360度回転しますが、赤道に置いた人形は常に前方を見ています。つまり、赤道では地面の鉛直方向(地軸とは常に垂直の方向)を軸とした回転はしないことがわかります。

もしパリが赤道上にあったとしたら、振り子の振動面は移動しなかったはずです。つまり、地球の自転を証明することはできなかったでしょう。ちなみにパリの緯度は北緯48度51分44秒です。比較的緯度が高いパリで実験したのが幸いしました。

それでは、振り子の様子を南半球で観測するとどうなるでしょうか?
反時計回りに少しずつ回転するように見えます。なぜなら、南極側からみた南半球では地球は時計回りに自転しているからです。